LPIC-1概要
LPI資格 | 2022.10.31

試験仕様

現行版 : 5.0(試験コード101-500および102-500)
受験資格: この試験はどなたでも受験可能です(受験に必要な資格や実務経験はありません)
認定要件: 「LPIC-1 101-500」及び、 「LPIC-1 102-500」 試験に合格すること。
      90分で60問に回答し、スコア500/800点以上取得すること。
有効期間: 再受験、もしくは現在のレベル以上の試験を受験して合格しない限り5年。
費用  : 1試験あたり¥15,000(税抜)

試験概要

「LPIC-1」はLinux技術者認定資格の1つで、「Linux Essentials」の上位資格に当たります。「Linuxシステムを管理するための技術を習得している」ことを証明することができます。

LPIC-1の資格取得者は「Linuxの基本操作を一通り習得している」と判断できますので、今後Linuxを使った仕事を考えている人や、インフラ関連の仕事をしている人に適した資格です。

「LPIC」と名のつく資格の中では最もレベルが低いですが、とにかく覚えることが多いです。
個人的には「Linux Essentials」資格取得者や、マニュアルや手順書を見なくてもLinuxで多少の作業が出来るが目標とする資格、という印象です。
受験に際して前提条件がありませんので、“初めてLinuxを触る”という方でも挑戦できますが、かなりハードルが高いと思います。個人的には「Linux Essentials」資格を取得してから目指すことをオススメします。

試験範囲はLinuxOSが持っている機能全般です。具体的にいうと、ハードウェアやネットワーク、プログラミング、リソースの管理などが学習範囲です。「Linux Essentials」資格も同じような試験範囲ですが、範囲が増えて全体的に深堀りした感じです。そのため「Linux Essentials」資格取得者にとっては、すでに学習した内容も多く含まれます。

ちなみに・・・

私は仕事柄、Linuxのトラブルに関連する相談を受けることがありますが、その殆どがLPIC-1で学習した内容で賄うことができます。LPIC-1の知識を有していれば、Linuxのシステム管理に関わる殆どのトラブルは解決することができると思います。

101の難易度 ★★★☆☆

比較的素直な問題が出題される傾向にありますので、”問題を解く”という点では難易度は高くありません。
ただただ、LPIC-1の101試験はとにかく覚えることが多いので、この点で★を一つ増やしています。
特に、初めてLinuxに触れる、ITに触れる、という方にはすべての内容が覚えなければならない内容ですので、特に覚えることが多い、と感じると思います。
私はLinuxを長年業務で使っていた中でのチャレンジでしたが、それでも覚えることが多いなぁと感じたくらいです。
逆を言えば、内容をしっかり理解し、覚えておくことができれば、難しい試験ではありません。

102の難易度 ★★★☆☆

LPIC-1の102試験は、覚えることが多い、という点は残念ながら101試験と変わりません(苦笑
加えて、専門的な知識を要するところで難易度が上がります。

102試験には、ネットワークに関連する内容が多く含まれます。
管理コマンドやオプションなどの覚える量の多さもそうですが、ネットワークの基礎知識が固まらない中で、NTPやDNS、メールサーバの話や、SSHに関連して暗号化等の話が出てきます。この辺の話がどこまで理解できるかが鍵になります。

101試験は、ひたすら基本操作に関するコマンドを覚えていく形でしたが、102試験には、ネットワークやセキュリティ、シェルスクリプトと、ジャンルが分かれているため、比較的目的が明確ですので、人によっては覚えやすいかもしれません。

学習時間

独断と偏見ですが・・・
普段からLinuxを触る方、Linux Essentials取得者で、1試験あたり1ヶ月半、というところでしょうか。
私は長年、業務でLinuxを扱っていた中での挑戦でしたが、それでも、意外と初めて知る内容があったり、中途半端に覚えているもの等が結構あり、これらを覚えるのに苦労しました。

ざっくり、1週間で1トピック。総復習に1週間~2週間、という感じが最短かなと思います。

Linux未経験から挑戦する場合は1試験あたり3ヶ月以上はかかると思います。

試験範囲

下記は、LPIが公開している試験範囲です。101試験の試験範囲が101~104まで、102試験の試験範囲が105~110までです。
詳細については、LPI公式サイトをご確認ください。
今後、更新していく記事に対して、各トピック内のリンクからジャンプできるようにしていく予定です!

トピック101:システムアーキテクチャ

概要:
システムの起動、停止のシーケンス及び、そのメカニズムとハードウェアの設定について学習します。

101.1 ハードウェア設定の決定と設定
101.2 システムを起動する
101.3 ランレベル/ブートターゲットを変更し、システムをシャットダウンまたは再起動します

トピック102:Linuxのインストールとパッケージ管理

概要:
Linuxイントールに必要な知識と、パッケージの管理方法について学習します。

102.1 ハードディスクレイアウトを設計する
102.2 ブートマネージャをインストールする
102.3 共有ライブラリを管理する
102.4 Debianパッケージ管理を利用する
102.5 RPMとYUMパッケージ管理を使用する
102.6 仮想化ゲストとしてのLinux

トピック103:GNUとUnixコマンド

概要:
Linuxの操作に必要なコマンド及び、ファイル内にデータを作成、編集、抽出、加工するコマンドや手法、プログラム実行時のプロセス管理方法について学習します。

103.1 コマンドラインでの作業
103.2 フィルターを使用してテキストストリームを処理する
103.3 基本的なファイル管理を実行する
103.4 ストリーム、パイプ、リダイレクトを使用する
103.5 プロセスの作成、監視、終了
103.6 プロセス実行の優先順位を変更する
103.7 正規表現を使ってテキストファイルを検索する
103.8 基本的なファイル編集

トピック104:デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層標準

概要:
LinuxOSを扱うために必要な知識について学習します。具体的には、OSの違いや、ハードウェアの基礎知識、Linux内のデータ格納場所、ネットワークの基礎知識について学習します。

104.1 パーティションとファイルシステムを作成する
104.2 ファイルシステムの整合性を維持する
104.3 ファイルシステムのマウントとアンマウント
104.4 削除
104.5 ファイルのパーミッションと所有権を管理する
104.6 ハードリンクとシンボリックリンクの作成と変更
104.7 システムファイルを検索し、ファイルを正しい場所に配置する

トピック105:シェル、スクリプト

概要:
ホストセキュリティの基本となる、アカウントや権限の理解、ファイルパーミッションや所有権の管理について学習します。

105.1 シェル環境をカスタマイズして使用する
105.2 簡単なスクリプトをカスタマイズする

トピック106:ユーザーインターフェースとデスクトップ

106.1 X11のインストールと設定
106.2 グラフィカルデスクトップ
106.3 アクセシビリティ

トピック107:管理タスク

107.1 ユーザーおよびグループアカウントと関連するシステムファイルを管理する
107.2 ジョブのスケジュール設定によるシステム管理タスクの自動化
107.3 ローカリゼーションと国際化

トピック108:必須システムサービス

108.1 システム時刻を更新する
108.2 システムロギング
108.3 メール転送エージェント(MTA)の基本
108.4 プリンタの管理と印刷

トピック109:ネットワークの基礎

109.1 インターネットプロトコルの基礎
109.2 固定ネットワーク構成
109.3 基本的なネットワークのトラブルシューティング
109.4 クライアント側のDNSを設定する

トピック110:セキュリティ

110.1セキュリティ管理タスクを実行する
110.2セットアップホストセキュリティ
110.3暗号化によるデータの保護

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