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BIOSとUEFI
電源を入れると、最初に起動するのがBIOS(UEFI)プログラムです。
BIOSはマザーボードを管理するプログラムです。起動すると、CPUやメモリ、HDD等、マザーボードに接続されている各種デバイスの設定や動作チェックを行い、予め設定されたブートシーケンスに従って起動可能なプログラムを探します。
BIOSは起動デバイスとしてHDDを見つけると、MBR領域にアクセスしてブートローダを起動させます。
ブートシーケンスとは、優先起動順位のことです。OSはHDD以外にもCD/DVD-ROMドライブやUSBメモリ等の外付けストレージデバイス等から起動することができます。多くの場合はHDDが最優先になっていますので、CD/DVD-ROMから起動したい場合は、BIOSでこの設定を変更しなければなりません。
BIOSとUEFIの違い
BIOS(Basic Input/Output System)は1980年に誕生し、長期間にわたって使われてきました。しかしながら、ハードウェアの進化とともにBIOSに限界を生じるようになりました。
特に容量の認識は致命的で、BIOSにはHDDを2.2TBまでしか認識できない制約があります。TB(テラバイト)が標準となった現状に合わなくなり、次世代BIOSであるUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)への移行が進んでいます。
UEFIでできることはBIOSとあまり変わりませんが、2.2TB以上の容量を認識できるようになりました。左図のように、インターフェースもGUIになりマウスを使うことができます。加えて64bitに対応できるようになったことで起動が大幅に高速化されました。UEFIを使用する場合は、HDD内にUEFIが起動時に読み込む専用のパーティションを作成する必要があります。そのパーティションの事をESP(EFI System Partition)と呼びます。
<BIOSとUEFIの比較>
項目 | BIOS | UEFI |
---|---|---|
インターフェース | ![]() TUI(Text User Interface) | ![]() GUI |
サポート | MBR | GPT |
基本パーティション | 最大4 | 最大128 |
拡張パーティション | 1 | 無し |
論理パーティション | 無制限 | 無し |
対応容量 | 2.2TBまで | 8ZB(約86億TB)まで |
起動速度 | 遅い | 速い |
ランレベル
Linuxの動作モードのことです。ランレベルには0~6までの7種類が存在し、その数値によって動作が異なります。
ランレベルと動作モードは以下の通りです。
ランレベル | 説明 |
0 | シャットダウン(システムの停止) |
1 | シングルユーザモード(rootのみ) |
2 | ネットワークなしのマルチユーザーモード |
3 | マルチユーザーモード(テキストログイン) |
4 | 未使用 |
5 | マルチユーザーモード(グラフィカルログイン) |
6 | システムの再起動 |
ランレベルを設定することで指定したモードでLinuxが起動します。
シングルユーザモードはWindowsのセーフモードのようなもので、必要最低限の機能で起動するモードです。Rootパスワードを失念した場合によく使います。シングルユーザモードはroot以外ログインできませんが、マルチユーザモードは一般ユーザもログインできるようになります。
1~3はテキストログインのログインです。5はグラフィカルログインモードですが、システムにX Window Systemを導入しグラフィカルログインできるよう予め設定されている必要があります。0と6は起動時のランレベルとして設定すると起動できなくなりますので注意が必要です。(設定することは可能です。)
Linuxの停止
システムは様々なプログラムが動作しており、停止するには各プログラムを適切に終了して安全にシステムを停止しなければなりません。システムを停止することをシャットダウンと言います。
システムをシャットダウンさせるには、専用のコマンドを使用します。
● shutdownコマンド
書式:
shutdown [オプション] [パラメータ] |
主なオプション:
-h | システムをシャットダウンします。 |
-r | システムを再起動します。 |
システムをシャットダウンする場合は、以下のコマンドを実行します。
# shutdown -h now
上記では、-hオプションを使用しているため停止になりますが、-rオプションを使用すると再起動になります。
時間を指定してシャットダウンすることも可能です。
# shutdown -h 22:00
# shutdown -h +5
1行目のコマンドでは、22時になるとshutdownが実行され、2行目のコマンドでは、コマンド実行後5分経過するとshutdownします。また、「+」は省略することができます。
● haltコマンド
haltコマンドでもシステムを停止することができます。ただし、必要最低限の手順のみでシステムを停止します。そのため、緊急停止的な意味で使用するコマンドです。
書式:
halt [オプション] |
主なオプション:
-p | システム停止後に電源を切る。 |
<コマンド実行例>
# halt -p
● initコマンド
initコマンドはランレベルを設定することで動作モードを変更するコマンドです。
ランレベルを0にすることでシステム停止、6にすることで再起動することができます。ただし、ログインユーザに停止通知が行われません。
書式:
init ランレベル(数字) |
<コマンド実行例>
# init 0
# init 6
● rebootコマンド
rebootコマンドはシステムを再起動するコマンドです。オプションなしに実行します。
shutdown –rと同等です。
書式:
reboot |
<コマンド実行例>
# reboot