2.3 サーバアプリケーション
Linux Essentials Online Text | 2021/07/14

Linuxはサーバとして利用されることが多く、サーバ用アプリケーションも充実しています。

サーバとはネットワークを介して「サービスを提供する装置」の事を指します。装置自体の大きさや性能は関係ありません。

一方、サーバからサービスを受ける機器の事を「クライアント」と言います。クライアントがサーバに対してリクエスト(要求)を送信し、サーバがこのリクエストに答えることで通信が成立します。

サーバは提供するサービスによって呼び方が変わります。Webのリクエストに応えるサーバなら「Webサーバ」、メールの送受信要求に応えるなら「メールサーバ」です。どのサービスを提供するかは、起動するアプリケーションによって決まっていて、サービス毎に専用のアプリケーションが存在します。このようなアプリケーションの事をサーバアプリケーションといいます。

Webサーバアプリケーション

Apache HTTP Server

Apache Software Foundationによって開発されているオープンソースソフトウェア。世界中で最も多く使用されています。モジュールにより様々な機能拡張が可能であるところが特徴です。

Nginx

Apacheと同様にオープンソースなWebサーバアプリケーション。高い処理能力、メモリ使用量の小ささに焦点を当てて開発されており、大量のリクエストに対する処理に向いています。機能の豊富さではApacheに軍配が上がりますが、パフォーマンス重視でNginxを選択するユーザも少なくありません。

メールサーバアプリケーション

Sendmail

UNIXで古くから使われてきたメール転送エージェント(MTA)。様々な状況に柔軟に対応に多機能さが特徴。その反面、設定方法が複雑で、セキュリティホールが多数見つかっており、Postfixにシェアを奪われつつあります。

Postfix

オープンソースなメール転送エージェント(MTA)。先行開発されていたSendmailとの互換性を確保しつつ管理設定が容易で且つ、高速、安全であることを目指して開発されました。 Sendmailに代わり、Linuxにおいて多くのディストリビューションで採用されています。

Dovecot

Unix系OS上で動作するIMAP、POP3(メール受信)サーバ。メール関連アプリケーションですが、メール転送エージェント(MTA)では無いことに注意してください。 IMAPサーバとしては標準的な地位にあり、全IMAPサーバの8割近い市場シェアを持っています。

データベースサーバアプリケーション

MySQL

世界でもっとも普及しているオープンソースのデータベースアプリケーションです。大容量データを高速に扱うことができ、Webアプリケーションと連動させて使用されるケースが多いため、レンタルサーバーや検索エンジンなどでも利用されています。 有償版と無償版があり、非商用利用であれば無償で使用することができます。

MariaDB

MySQL作者によってMySQLからフォークされたオープンソースデータベースアプリケーション。MySQL5.5をベースにMySQL5.6の機能と独自機能を追加し、バージョン10としてリリース。OracleDBからの移行を支援する互換機能を実装した。GoogleがシステムにMariaDBを採用しており、他の主要ディストリビューションもデフォルトデータベースをMySQLからMariaDBに移行しています。

ファイルサーバアプリケーション

NFS

Network File Syste(NFS)とは、ローカルに接続されたストレージを、ネットワークを介して共有するためのアプリケーション。マウントされたNFSボリュームはネットワーク上にあることを意識せずに利用できる。元々はUnix/Linuxで使われるサービス。OSに依存せず使用することが可能。

Samba

MicrosoftのWindowsネットワークを実装したフリーソフトウェア。ファイル共有サーバを構築する際に、利用されるソフトウェアです。 LinuxやUnixOSを使って、Windowsとのフォルダ共有、プリンタ共有が可能。Windowsドメインコントローラを使用でき、Windowsサーバが構成するActive Directoryへの参加なども可能です。

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