8.4 vi以外のエディタソフト
Linux Essentials Online Text | 2021/07/26

viエディタは多機能で高い編集効率が期待できるエディタです。慣れればGUIのエディタを使用するよりもはるかに使い勝手が良いといえます。しかしながら、操作方法の複雑さや操作方法は独特で、文字の書き換えをするだけでも時間がかかり、使いこなすとなるとかなりの経験と時間が必要です。

エディタソフトはLinuxの作業に欠かせないソフトウェアです。viエディタがどうしても馴染まないという人は、別のエディタを使用することを検討してもよいでしょう。Linuxには、viエディタ以外にも様々なエディタソフトが存在します。

Emacsエディタ

Emacsは、古くから存在する歴史あるテキストエディタです。非常に多機能で、UNIXだけでなく、WindowsやMac OSでも使用することができます。

右図のように、テキストエディタでありながら、画面を分割して様々な情報を表示することができます。

Emacsは、エディタ上で他のプログラムを起動することができます。例えば、Firefox経由でGoogle検索したり、Amazonで商品検索をしたりすることができます。検索結果をそのまま保存することも可能です。Emacsからブックマークしたりもできます。また、EmacsでGmailを読むことも返信することもできます。下書きをEmacsで書いておいて送信するとか、受信したメールの中の特定の文字を含むデータを一括して一つのファイルにまとめることも可能で、これらの作業を自動処理することもできます。

他にも、プログラムのコードを書くときなどは、字下げを自動で行う機能、プログラム言語の関数や変数をハイライトする機能、diffを取る機能やUNIXコマンドをEmacs上で実行する機能など、数多くの便利な機能が用意されています。

最後にもう一つ、Emacsの最大の特徴として、カスタマイズ性の高さが挙げられます。「Emacs Lisp」プログラム言語を使ってプログラムを書くことにより、自分の使いやすいエディタを作ることができます。

ちなみに、Emacsのこれらの機能の多くはキーボードで操作します。viと同様、キーボードからの操作は慣れるまでは抵抗があります。一度覚えてしまえば効率的な作業環境が作れますが、viエディタ以上に覚えることが多く習得に時間がかかります。

nanoエディタ

先に紹介したviエディタも、Emacsも、どちらかと言えば上級者向けのテキストエディタです。実際にLinuxを触る機会が少なく、ちょっとした設定変更のために少し扱えればよい、と考えるユーザには苦労の割にあわないツールと言えます。そのせいか、最近では操作が単純でCUI(CLI)に不慣れなユーザでも使いやすい「nano」というエディタが登場しており、最近のディストリビューションには、導入されているものが増えてきています。

Raspberry Pi用ディストリビューションである「Raspbian」では、デフォルトのエディタとしてインストールされています。

「nano」エディタは、起動すれば即キーボードより文字入力ができるため、直感的な操作が可能です。また、常に画面の下部に主要なキー割り当てが表示されているため、操作方法を知らないユーザでもある程度簡単に扱う事が出来ます。

ただ、やはり高機能なエディタと比較すると機能面で制約があるため、viエディタに慣れていると物足りなさを感じます。

実際に使ってみましょう。起動の仕方はviと同じです。

操作方法は画面下部に表示されています。

$ nano write.txt

全て「^(キャレット)」+「アルファベット」で表示されていますが、実際に操作する際は、「ctrl」+「アルファベット」で使用します。

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