みなさん、こんにちは。
今回は、「ITパスポート」と「Linux Essentilas」についてのお話です。どちらもIT業界で仕事をするにあたり、最初に取得をめざす資格ですが、実は中身が全然違うんです。

ITパスポートとは

ITパスポートは、経済産業省認定の国家資格で、「ITに関する基礎的知識を証明する」資格です。
試験範囲にはITの基礎知識だけでなく、経営やプロジェクトマネジメントに関連する知識も問われるため、ビジネス用語なども出題されます。

つまり、ITパスポートは学習することにより「ITリテラシーを身につけることができる」という資格です。

Linux Essentilasとは

Linux Essentilasは、LPIが提供するLinux技術者認定資格の一つで、Linuxに初めて触れる入門者向けの資格です。
Linuxやオープンソースに関する基礎知識と、基本操作を習得することができます。
また、試験範囲には、ハードウェアやネットワーク、インターネット上のプライバシー等、一般的なIT知識も含まれており、LinuxOSが持っている機能やできることについて学習します。具体的に言うとシステム管理やネットワーク管理、プログラミング、リソースの管理などですが、実は、他のOSにも似たような機能があります。これらの機能や概念はどのOSでもほとんど同じですので、この資格学習を通して習得した知識や技術は、他のOSでも流用ができます。

2つの資格の違い

先の説明の通り、ITパスポートはITリテラシーを身につけることができる資格です。
従って、学習する内容は、学習範囲にあるIT技術やビジネス用語の概念や意味を覚える、というものです。

一方のLinux Essentialsは、概念や意味を覚えるとともに、どのように操作すればそれが実現できるのか、その情報を得られるのかを覚えます。

例えば、プログラミング。
ITパスポートでは、プログラミングとはこういうものです、こういう動作をするんですよ。という概念を覚えますが、Linux Essentialsでは、シェルスクリプトを使って実際にどのように書けばそれが実現できるのかを学習します。実際にループ文を書くための技術を学びます。
データ圧縮技術も同じです。
ITパスポートでは、データ圧縮技術の概念を学びますが、Linux Essentialsでは、実際にどのようなコマンドを使うとデータ圧縮ができるのか、というその手法を学びます。

つまり、Linux Essentilasの方が、実践的な知識と技術を学ぶことができる、ということです。

ただし、Linux Essentialsで学習するのは「OSが持っている機能、できること」に限られますので、全般的な知識という意味では、ITパスポートの方が範囲が広いと言えます。

ITSS（ITスキル標準）

ITSSとは、経済産業省と情報処理推進機構（IPA）が策定しているもので、IT人材に対するスキル体系です。
簡単に言うと、ITに関連する各種職種を目指すには、こんな資格を取得すると良いよ！ということが書いてあるスキルマップです。

ITSSのキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップ Ver11r4

見てもらえるとわかりますが、Linux Essentilasは「レベル0」に位置しています。
このことから、Linux Essentilasは技術的な資格であり、様々職種を目指すための導入的な資格であることがわかるのではないでしょうか？

ちなみに、ITパスポートはこのスキルマップに含まれてないんです。

結局、どちらを受ければいいの？

今までの解説の通り、ITパスポートとLinux Essentilasでは学習する内容そのものが違いますので、どちらの資格がよい、というものではありません。

ITリテラシーを高めたい場合はITパスポート、ITエンジニアとしての実践的な知識、技術を身につけたい場合はLinux Essentilas、ということになります。

個人的な感想ですが、Linux EssentilasはOSの全般的な基礎知識と、基礎技術を習得するのに最適な資格であると感じていますので、ITエンジニアになろう！と考えている方には、とてもオススメです。
その上で、さらなるIT知識を増やしたい方、周りとITに関連する会話をしていて、ちょっとついていけないな、と感じる方はITパスポートの取得も検討されるとよいのではないでしょうか？

Linuxかぁ・・・って思う人も多いかと思いますが、私はLinuxを知っていたおかげで、助かった場面はたくさんありました。Linuxは開発でも構築でも運用でも、様々なところで役に立つ技術ですので、覚えておいて損することはないですよ！