1.4 Linux(UNIX系OS)の特徴
Linux Essentials Online Text | 2021/07/14

オープンソースであること

LinuxはGNU Public License(GPL)に準拠しているため、誰でもLinuxカーネルをはじめとする、OSを構成する各種ソフトウェアのソースコードにアクセスすることができます。ソースコードが公開されることで品質の向上や欠陥の修正が迅速に行われるようになり、悪意を持った開発者による攻撃を阻止できるという利点があります。

一方WindowsやMacOSはクローズドソースです。仕様が非公開であるため、どのような内容になっているかを確認することはできませんし、個人が勝手にカスタマイズすることができません。そのため、脅威や脆弱性、バグフィックスに対する対応はMicrosoft社やApple社の方針に依存します。

GPLライセンスに準拠

LinuxはGNU Public License(GPL)に準拠していることで、ソフトウェアの修正や使用、さらには再配布や販売も自由に行うことができます。そのため、一部のLinuxOSは無償で使用することができます。これにより、使用したいときに比較的早く準備することができます。

一方、WindowsやMacOSのライセンス条項にはインストール数の制限が盛り込まれており、合法的にインストールできるマシンの数は購入するライセンスに依存します。

コミュニティによるサポート

Linuxはコミュニティから作られたOSであるため、基本的にサポートという概念がありません。問題が発生したら、コミュニティに問い合わせるか、自己解決するしかありません。

とはいえ、特殊な場合を除きLinuxユーザが抱える問題のほとんどは、既に誰かが経験したものであり、その記録は残されている事が多く、フォーラムやオンライン検索、数多くの専用ウェブサイト経由で得ることができます。また、ディストリビューションによっては必要に応じてRed HatやNovellのような大手Linux企業と有償のサポート契約を締結することも可能です。

サーバOSシェア

デスクトップOSにおいて世界のトップシェアを誇るのはWindows、その後を追うのがmacOSです。デスクトップOSにおいてLinuxのシェア比率は残念ながら数%弱でしかありません。

対して、サーバOSにおけるトップシェアはLinux(UNIX系OS)にあり全体の6~7割以上を占めています。WindowsサーバOSは、デスクトップシェア1位であるデスクトップOSとの連携やGUIによる操作性等を活かし、着実にシェアを伸ばしつつあります。

セキュリティアップデート

WindowsはMicrosoftが主導となり定期的にアップデートが発生しますが、Linuxの場合は、アプリケーション毎に随時アップデートが発生します。これにより致命的なバグや脆弱性に対しては早急な対応が可能です。また、Windowsは殆どの場合でアップデート後に再起動を必要としますが、Linuxの場合はKernelのアップデート以外は再起動しなくても反映されるため、長期間に渡り無停止連続運転が可能になります。

また、クライアントOSのシェア率が低いことで、ウィルスの数が少なく感染しにくいと言えますが、リスクがまったくないわけではありません。Linux専用のウィルス対策ソフトなども存在します。

安定した享受

WindowsやMacOSは、Linux並みに安定性が増し安価に手に入るようになりました。しかしながら有償OSであるがゆえ、MicrosoftやApple等開発元の意向によって方向性が左右されるため、特定ベンダーのビジネス的な価値判断に依存してしまう危うさがあります。例えば、一方的にサポート終了日が設定されてしまうため、これらの情報に右往左往するケースが少なくありません。

その一方でLinuxの場合は、世界中の技術者が力を合わせて改良していくです。誰もが開発・改良に関して意見する事が可能で、多数の監視のもとに作業が行われるプロセスでは、一部に利益に偏ることを避けることができます。これにより、合理的に改良されたバージョンを、将来にわたって享受可能なことが明確に予想できるのが最大の特徴といえます。

【一言メモ】
本単元で上げたようなLinuxの特徴は、他のOSと区別する時によく挙げられる内容です。
実際に、OS選定をするときの判断材料として使う場合もあります。
試験としては、なんとなく説明ができる程度に覚えておけばよいでしょう。

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