1.5 プライバシーに関する問題とツール
Linux Essentials Online Text | 2021/07/14

ネットワークが発達したことで、コンピュータの利便性が向上した反面、個人情報やプライバシー保護を巡る新たな課題が生じています。私達は、これからのネットワーク社会のあり方を考える一方で、適切なツールの使用方法を知っておく必要があります。

マルチユーザ機能

Linuxはマルチユーザ機能を備えていて、1台のコンピュータに対して複数のユーザがネットワークを介してアクセスし、操作を行うことができます。アクセスする各ユーザの環境は独立しており、個々のユーザが保持しているファイルは他のユーザが改変したりしないように設定されています(公開することもできます。)。そのため、あるユーザが操作をしくじっても、ほかのユーザにはほとんど影響を与えません。

WindowsOSもWindows Server 2003以降、マルチユーザに対応したため複数のユーザを作成できますが、同時にアクセスして操作することはできません。

Cookie

ブラウザソフトには個人情報を保持する「Cookie」という機能があります。「Cookie」は、アカウント情報や位置情報、訪問回数などの情報が含まれています。Webサイト毎に利用したときの情報を記憶しておき、再度そのWebサイトに訪れたときに、情報を使用することでその人専用の情報を提供できるようにします。

例えば、ログインが必要なサイトでCookieを使用すると、アカウント情報がブラウザに保存されるため、次回アクセス時にはアカウント情報を入力することなく、ログインすることができます。また、ネットショッピングで気になる商品を検索したり購入したりすると、それ以降、インターネット広告に関連した商品情報が表示されることがありますが、これもCookieによるものです。
便利である一方で、プライベートな情報をインターネット上に流すことになるので、注意が必要です。

プライベートブラウジング

ブラウザが保持するはずのアクセス履歴やコンテンツキャッシュ、Cookie等の情報を保存することなくWebアクセスする仕組みのことを言います。プライバシーモード、シークレットウィンドウなどとも呼ばれることもあります。
ブラウザに情報が残らないため、次に使用するユーザが同じブラウザを使っても、今までの履歴や前利用ユーザの使用状況に依存することなく初めて使用したのと同じように使うことができます。

ただし、学校や職場、公共施設等は私的な利用及び情報漏えいを防ぐ目的から、そのネットワーク機器やサーバ側でアクセスを監視しており、プライベートブラウジングで利用していても、通信内容は記録されていますので、実質、クライアント側だけに効果のある仕組みです。

【一言メモ】
マルチユーザは、Windowsには無い機能です。覚えておきましょう。
Cookie、プライベートブラウジングはICT用語です。Linux以外のOSでも普通に使用される言葉です。ここではどのようなものかが理解できていればそれで良いです。

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