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インターネットの爆発的な発展に伴い、1990年代にIPv4アドレスが枯渇する可能性が出てきたため、次世代のプロトコルとして誕生したのがIPv6です。
実際にIANAの管理するIPv4アドレスは2011年2月に枯渇。しばらくはRIR(地域インターネットレジストリ)が管理する在庫を割り振っている状態でしたが、2011年4月にAPNICで事実上枯渇。ARINも2015年9月に枯渇。そして2019年11月にRIPE NCCにおいて、すべてのIPv4が枯渇しました。
IPv6のアドレス構造
IPv6はアドレス構造が大きく異なります。IPv4が32bitであったのに対し、IPv6は128bitになりました。これによりIPアドレスの数は実に約340潤(1兆×1兆×1兆)という膨大な数が使えるようになりました。しかしながらその反面、IPv4と同様の表記では冗長(無駄に長い表記)になってしまうため、IPv6は16進数で表記された数値を「:(コロン)」使い、16進数で表記される4つの数字をひとかたまりとし、全部で8個のセクションに区切ります。
具体的には、以下のような表記になります。

上記はIPv4で言う「IPアドレス部分」です。IPv6にもサブネットがあります。IPv4で言うネットワーク部のことを「サブネットプレフィックス」といい、ホスト部を「インターフェース識別子」といいます。
LinuxEssentialsではそこまで深く問われませんが、ネットワークの基礎知識として用語は覚えておきましょう。
IPv6の省略ルール
上記がIPv6の基本の形です。長くて覚えにくいですね。IPv6には、もう少し覚え役するために省略するための2つのルールがあります。
◆ 各セクションの先頭の0は省略可能 0で始まるセクションは、その 0 を省略することができます。 ◆ 連続する0000セクションは省略可能 0000セクションは::に置き換えることができます。ただし、::は可変長なので使えるのは一カ所だけです。

2、5、6、7セクション目は、0で始まっていますので、省略できます。
ただし、7セクション目のようにセクション内がすべて0の場合は、最後の0だけは省略できません。
また、3、4セクション目は0000が連続しているため、「::」に置き換えています。7セクション目も該当しますが、省略は1箇所しかできない、というルールがあるため7セクション目は0を残しています。
どちらを省略してもよいですが、普通はより多く省略できる方を選びます。
IPv6の種類
なお、IPv6アドレスには、次のような種類があります。
種類 | アドレス範囲 | 備考 |
集約可能グローバルアドレス | 2000::/3 | グローバルIPアドレス |
リンクローカルアドレス | fe80::/10 | DHCPが存在しないNWで自動設定されるアドレス |
ユニークローカルアドレス | fc00::/7 | プライベートIPアドレス |
マルチキャストアドレス | ff00::/8 |